清流体術 心身統一への道 その七 ~足裏から地球につながる~
今回から 運動に最重要な下半身の関節を開いていく
プロセスや感覚を順に伝えていきます
まず私達人間は二足歩行で誰しも歩きますが
実際に体重が乗る足裏の感覚を意識して
歩いている人はどれ位いるのでしょうか?
体術の基本は
足音を立てずに最も楽に速く歩けることにあります
そしてこの『歩く』中に体術・運動の基本が詰まっています
この歩く・走る動作を筋力や体力に頼らずに
透明な感覚で運動出来るようにしていきます
歩きながら 地面に足が接地した時に
体重がしっかりと足裏に乗っている
か確認しながら歩きます
そして体を前進させるだけに必要なエネルギーで地面を押して進みます
地面を蹴るのではなく 地面を押す・踏む感覚です
これは 重い物を地面や床から持ち上げる時も同じで
足の裏で垂直に地面を押すと
楽に重たい荷物も持ち上げられます
例えば20kgのお米を持ち上げるには
20㎏の力で地面を押せば持ち上がる仕組みです
と言っても自分の体重があるので 体重分は楽に持ち上がります
この時に膝や股関節もしっかりと深く曲げて
股関節・膝・足首・足裏に体重やエネルギーが乗りながら
足裏で垂直に地面を押して
下半身の関節を伸ばしていきます
スキーのジャンプやウエイトリフティングの
下半身の使い方をイメージすると分かりやすいと思います
この股関節・膝・足首・足裏に
体重・エネルギーが真っすぐ乗るように
日々の歩行・走行の中で感覚を磨き
下半身の骨・関節のエネルギーライン
を整えていきます
足裏全体で接地しますが 常に体重が乗っているのは
足裏の両くるぶしの間
踵{かかと}寄りのポイントになります
ここに脛骨{けいこつ}と言う
脛{すね}の太い骨が乗っかっており
骨の仕組み通りに脛骨・足首の付け根・
その真下の両くるぶしの間の足裏に体重を乗せます
この両くるぶしの間のポイントを『ウナ』と言います
足に塗るウナコーワのウナです
このウナに脛骨から真っすぐ体重を乗せた上で
親指の付け根に当たる母指球{ぼしきゅう}や
小指の付け根に当たる小趾球{しょうしきゅう}
を使います
殆どのスポーツで 踵を浮かせて素早く動ける体勢にしますが
母指球だけを強く使うと
ふくらはぎや太ももの力みになりやすく
すぐに足の筋力を消耗してしまいます
そこで『ウナ』に体重を乗せて
踵や膝やお尻を軽く浮かせて上下にポンピングしながら
母指球にも体重を乗せます
このわずかな差が大きな差となってくるので
興味ある方は試してみて下さい
慣れてくると踏ん張らずに
楽に速く動ける感じが味わえます
またその感覚が上達すればする程
全身リラックスして足裏の体重・重心操作で
力や速さが出せるようになります
そして踏ん張らずに 地面に足裏からしっかり体重と
必要な強さのエネルギーを乗せると
地球から反力が返ってきます
するとその反力で
自然に足が上がり体が前に進みます
この地面を押して反力が返ってくる感覚が
『地球とつながる感覚』で
肉体に頼らずに速く動いたり
重い物を持ち上げたり力を出すコツになってきます
これが氣やオーラを感じるようになると
足裏から地面や床下に
通常30cm位はオーラが出ていて
野球やテニスやゴルフなどの軸足に体重を乗せて
投げたり打ったりする運動の全ては 地球とつながって
足裏から地面の奥深くに
体重とエネルギーを送っているのが
分かるようになります
それで体の軸や体勢がぶれずに安定しながら
体力・筋力に頼らずに『地球の力』を借りて
より大きな力を出せるよになります
足裏の重要性に氣づいていた先人は
その感覚を日常から養う為に下駄を履いていました
下駄を履かなくなった我々現代人が
より良い快適な運動を望むのなら
足裏の感覚を日々意識して
歩いたり運動して磨いていく
のが最重要になります
また私のように 膝の靭帯断絶や
半月板損傷などの大怪我から
スポーツや運動・仕事に復帰
する方にも最重要になってきます
少しでも参考になってくれれば幸いですが
運動の感覚は一人一人みな違うので
絶対はありませんが 良かったら試してみて下さい
では
次回の『足首・膝・股関節にラインを通す』でまた会おう